2016年製作M・ナイト・シャマラン監督のサスペンス、スリラー映画。
多重人格者の犯人に誘拐された女子高生を描いた作品。
ナイト・シャマランと言えば数々の名作を残す名監督。どの作品もネタバレ厳禁な作りになっており、代表作品として「シックス・センス」が挙げられます。
今作も少々ネタバレには気をつけた方がいい内容になっていますので、記事の前半はネタバレなし。
後半にネタバレありの感想を話していこうと思います。
まだ本作を見ていない人は要注意です。
映画「スプリット」あらすじ
父親亡き後、引き取られた叔父に性的虐待を受け、学校では人と距離を置いた日々を送る女子高生ケイシー・クックは、クラスメイトのクレア、マルシアと共に誘拐されてしまう。監禁場所は居住できる最低限の設備こそあるが窓のない部屋で、容易には脱出できそうにない。誘拐犯は姿を現す度に様子が変わり、ケイシーは彼が解離性同一性障害(多重人格)であると気付く。
Wikipedia
映画「スプリット」の見どころ
今回は映画スプリットの見どころを紹介していこうと思います。
多重人格者の誘拐事件は実話なのか、そして多重人格者を演じた「ジェームス・マカヴォイ」の演技力の凄さを中心に話してみました。
どこまでが実話?本当にいる多重人格犯罪者
今作の「スプリット」は実話なのか?と言われていますが、厳密に言うと実話ではありません。
3部作となるナイト・シャマラン監督作品の2作目となります。
「アンブレイカライブ」の続編の映画です。
と言ってもアンブレイカライブと繋がるシーンは作中ほとんどないんですけどね。
ただ、この映画の元ネタとなっているであろう多重人格者と言うのは実在しており、アメリカで実際に「ビリー・ミリガン」という多重人格者(解離性同一性障害)による誘拐強盗事件があります。
ビリー氏も23の人格があり、幼少期の虐待から身を守るため複数の人格を作り上げられれたと言われています。
彼の中には「スポット」というのがあり、スポットに当てられた人格が体の主導権を握ります。
人格によって話し方、性格、言葉の訛り、筆跡、健康状態までも変わるそうです。
詳しくはビリー・ミリガンについて調べるといいでしょう。また、書籍化もされており、2021年にはNetflixにてビリー・ミリガンのドキュメンタリー映画も配信されております。
そして今作の誘拐犯である多重人格者の「ケヴィン」もビリーと同じ23の人格を持っています。
ビリー・ミリガンは治療により、24番目の「教師」と呼ばれる人格が誕生し、彼は自信のことを他の人格の統率者と語ってるそうで、専門家より彼が一番安定していてビリー本人に近い存在として安全と認められる事になります。
今作の「ケヴィン」にも24番目の人格が現れるのか見ものです。
ジェームズ・マカヴォイの演技力に鳥肌
「The Crowded Room」というビリー・ミリガンの実話を題材とした映画は1990年代に考えられており、2015年にレオナルド・ディカプリオが主演として上がっていた。だがその話は流れてしまい現在アップルTVのドラマでトム・ホランド主演で「The Crowded Room」が配信されれいるそうです。
23の人格を演じるにはかなりの演技力が期待されます。トム・ホランドなら期待できそうですね。
トムホの多重人格者役が気になったきっかけとなる作品が今回紹介している「スプリット」という映画なんですが、多重人格者を演じるジェームズ・マカヴォイがとにかくすごかったんですよね。
スポットが変わる瞬間(中の人格が変わる)に顔つきがガラリと変化します。
表情を変えているのではなく、顔つきが変わるのです。
目の力の入れ具合とか、表情筋の緩み方、力の入り方などが変幻自在なですよ。
喋り方にも注目したいところだったんですが、これに関しては母国が英語でなければなんとも実感しづらい部分になるので凄いのかわかりませんが、少なくとも声色や声のボリューム感は気持ち悪いくらい違いを見せていました。
これを演技するって相当な俳優キャリアがないと難しいと思うんですよね。
ジェームズ・マカヴォイの演技力に注目の作品です。
映画「スプリット」の感想ネタバレ
実在した多重人格者をモデルに23の人格を持つ誘拐犯が迫りくるサスペンススリラー。この映画のスリリングな要素はビーストの存在と9歳児のヘドウィクの存在です。
序盤で、洞察力に長けているケイシーがケヴィンが多重人格者だと察すると「ヘドウィク」が子供であることに気づき、チャンスだと思うのです。ヘドウィクは序盤一筋の光のような、唯一の助け舟のようになりましたが、実はヘドウィクはケヴィンの人格のスポットを自在に変えれる唯一無二の特別な存在で、誘拐を企んだ側の人格の一味なのです。
そして、ぎりぎりまで明かされない「ビースト」の存在。
実際に目に見えて明確になるものより、何かよくわからないが怖い意識だけ刷り込まれる方が恐怖心ていうのは引き立てられます。
そしてその仕組みを組み込むのがとても上手いのがナイト・シャマラン監督ですよね。
観る人のの意識をうまくコントロールしています。
ラストのサプライズ的な登場をしたブルース・ウィルス演じる「デヴィット・ダン」
ダンは前作のアンブレイカブルの主人公である超能力者です。
これまで、いっさいアンブレイカブルの要素を出さなかった中で突然と登場。
次回作が楽しみになりますね。ミスターガラスがこんな特殊な人物を放っておくはずがないのですから。
また、今作のすごい良いところが役者の演技力の高さです。
上記でも話したようにジェームズ・マカヴォイはもちろん、ケイシーにも注目です。
ラストパートで、なんやかんやが終わった後、パトカーに乗せられ保護されているケイシー。
婦人警官から「家族のお迎えが来るわよ。あなたの叔父さん」と言われた後のケイシーの表情。
ケイシーにとって生涯一番の敵と言っても過言ではない叔父。
ケヴィンとの騒動をきっかけに戦う覚悟さえ感じらる強い眼差しは今作で最もメッセージ性を感じる演技でした。
ここも、あえて何も現さない、表現させない表現が生きていますね。
ただ、引き算のできる演出で上手く表現していますがもう少しケヴィンに対する設定というか視点が多くないとケヴィンがケイシーにキャラ負けしている感があり、ケヴィンを見せられているというよりジェームズ・マカヴォイの演技ショーを見ているような感覚になってしまします。
次回作で絶対出てくるであろうケヴィンのキャラがなんか薄く感じてしまうんですよね。
ケイシーの方に目が行っちゃいます。
同じ虐待を受けていたケイシーとケヴィンですが、ケヴィンにはなぜか同情しないというか見ていて感情が乗らなかったところが惜しい点。
それでも、この映画はそこそこ面白かったです。
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