映画「セッション」感想ネタバレ 音楽に詳しくなくても面白い理由

映画

はじめに、まだ映画「セッション」を見た事ない人にあ言っておきたい事があります。

それは、この映画に常識的な考えは一切ない。自分の感性ぶっ壊したい人にしかオススメできません。

2014年アメリカ製作の映画「セッション」

第87回アカデミー賞では5部門受賞されるなど、他数々の賞を受賞している話題の名作でしたね。

監督はデイミアン・チャゼル監督。「ラ・ラ・ランド」でも有名な監督ですね。

この映画は僕の中で忘れられない最高の映画なんですよね。何度も観たくなるリピート映画。

狂気の鬼コーチどちょっとイケてなさそうな夢見るドラマーの音楽を題材にしたフィクション映画なんですけど、この音楽ジャンルがジャズなんですよね。

ジャズドラマーが主人公の映画だと「音楽の予備知識がないと楽しめないんじゃないのかな?」と思いがちですが、全然そんなことないです!!

これが、この作品のすごいところで、僕も音楽は好きなんですがジャズじゃなくロックが好きなもんでジャスは全くしらないといっても過言ではないんですよね。

そんな僕でも、この映画のラストシーンでは「・・・‼︎」ってな感じです。いやこれふざけてるんじゃなくてホントなんですよ。

言葉がでないほど圧巻され、無口になるか発狂するかの2択になっちゃうんですよ。

なのでこの映画は、「音楽なんてよくわかんないですよ〜」って人にもぜひ観て欲しい作品です。

と言うことで今回は映画「セッション」を紹介していきます。

記事の前半は、映画「セッション」の概要と音楽に詳しくなくても面白い理由について書いていますのでまだセッションを観てない人向けです。

記事の後半は、映画「セッション」の感想とネタバレを書いてますので既に映画を観たことある人向けの内容になってます。

 

 

 

映画「セッション」の概要

映画セッションのキャスト、監督、受賞歴、あらすじなどの具体的な概要を説明していこうと思います。

映画「セッション」のあらすじ

 

19歳のアンドリュー・ニーマンは、バディ・リッチのような「偉大な」ジャズドラマーになることに憧れ、アメリカ最高峰の音楽学校、シェイファー音楽院へ通っていた。アンドリューを男手ひとつで育てている父ジムも、良き理解者としてアンドリューを支えてくれている。ある日アンドリューが教室で1人ドラムを叩いていると、学院最高の指導者と名高いテレンス・フレッチャーと出会う。後日、アンドリューが学ぶ初等クラスをフレッチャーが訪れ、自身が指揮するシェイファー最上位クラスであるスタジオ・バンドチームにアンドリューを引き抜くのだった。迎えた練習初日、フレッチャーは開始早々バンドメンバーに罵詈雑言を浴びせはじめ、1人を退場させる。フレッチャーは一流のミュージシャンを輩出するのに取り憑かれ、要求するレベルの演奏ができない生徒に対し、人格否定や侮辱を含めた罵声や怒号も厭わない狂気の鬼指導者だったのだ。その矛先はさっそくアンドリューにも向けられ、ほんのわずかにテンポがずれているという理由で椅子を投げつけられてしまう。さらに他のメンバーの目の前で頬を引っ叩かれ、屈辱的な言葉を浴びせられると、アンドリューは泣きながらうつむくほかになかった。しかしアンドリューはこの悔しさをバネに、文字通り血のにじむような猛特訓を開始するのであった。

Wikipedia

映画「セッション」のキャスト

アンドリュー・ニーマン/マイルズ・テラー

本作の主人公。偉大なジャズドラマー「バディ・リッチ」や「チャーリー・パーカー」を目指して有名音大のシェイファー大学でビッグバンドのドラムをしてる19歳の青年。

 

テレンス・フレッシャー/J・K・シモンズ

シェイファー音楽院の教師。この映画のメインキャラの1人で第二の「チャーリー・パーカー」を生み出したいと熱心な先生。

 

ジム・ニーマン/ポール・ライザー

主人公アンドリューの父。小説家を目指しながらも教師をしている。息子思いで、アンドリューとは一緒に映画を見るほど仲がいい。

 

ニコル/メリッサ・ブノワ

アンドリューの行きつけの映画館スタッフの女の子。アンドリューの恋人になるが・・・

 

ライアン・コノリー/オースティン・ストウェル

アンドリューと同じクラスのメインドラマー。

 

カール・タナー/ネイト・ラング

フレッチャーが担当するバンドのメインドラマー。

 

音楽に詳しくなくても面白い理由

 

この映画は、音楽に詳しくなくても楽しめるんです。

ジャズドラマーの映画と聞くとジャズにも、音楽にも詳しくないと楽しめないんじゃないのか?と思いますよね。

でもそんなことなく、僕自身ジャズにもドラムにも詳しくないけどめちゃめちゃ面白いと思いました

なぜ、音楽に詳しくなくてもこの映画が面白いのかと言うと、単純にこの映画が面白いからなのです。

それじゃ全然説明になってないですねw

詳しくいいますと、音楽と言う要素以外で観客を楽しませる要素が沢山つまっているのです。

映画を楽しませる要素とは映画に登場するキャラクターの個性とストーリー性。

例えば、スターウォーズなんかそうですよね。ジェダイとかフォースの勉強を前もってしなくてもめちゃめちゃ面白いじゃないですか。

ルークと言う主人公とその周りを取り巻く、ヒロインや師匠、ダースベイダーと言う宿敵にフォースやジェダイと言う世界観。これらが映画を面白くしているんですよね。

セッションは誰でも楽しめるようにストーリー性は単純な構造。上映時間が2時間以内と言う映画のなかじゃまぁまぁ短い方です。

そんな単純で短い時間の中でもかなり濃厚に感じ、長く感じました(良い意味で)。

なぜ、濃厚に感じるのかといいますと、スターウォーズと同様、登場人物の個性が物語を面白くしてくれているんですよね。

観客が共感しやすい普遍的な主人公アンドリューに対し、鬼気迫る教師フレッチャー。

このフレッチャーが主人公に迫ってくる感じがホラー映画を観てるようで観てる側がハラハラドキドキしてしまうほど。

そして、精神的に追い詰められながらも、悔しさをバネに鬼畜のような練習を重ね上を目指す主人公。

この主人公の執念が僕ら、見てる人の心を湧き上がらせてくれます。

この演出がかなり巧妙で、演技も抜群なので誰が見ても面白いんです。

ちょいちょい出てくるジャズの曲とかドラマーの名前とかは「そんなのあるんだ〜」くらいの感覚で聞いてても物語に支障はないです。

知ってたら、尚楽しめるかなってくらいです。

映画セッションの感想ネタバレ

 

まだこの作品を視聴してない人は要注意です。ここからはネタバレありの感想になります

バディ・リッチのような偉大なジャズドラマーになりたいと夢見る19歳の青年アンドリュー・ニーマン。

次世代のバディ・リッチやチャーリー・パーカーを生み出したいと思う熱血教師テレンス・フレッシャー。

そんな2人が出会い、奇跡のセッションを・・・なんて、ぬるま湯な映画じゃないんですこれは。

狂ってる。それがこの映画に1番お似合いの言葉だと思いました。

フレッチャーと出会ったことでアンドリューが狂っていったように見えますが、フレッチャーの目にはアンドリューの中に潜む狂人が見えたのでしょう。

狂人だからこそ、狂人を見抜けたのだと思います。

アンドリューは有名音大のシェイファー音楽院でドラムをしていますが、バンドのメインじゃなくサブです。

所属してるバンドもフレッチャーが率いる優秀バンドではなく弱小バンド。

才能が見えるようなシーンはあまりありません。

アンドリューがフレッチャーと出会った時は練習中でした。ですがその練習中で見出したのは、技術的な才能じゃなく狂人的な才能だと思うのです。

実際、飛躍的な成長や並外れた才能を開花するシーンは見られません。

でも、フレッチャーの常識的にありえない罵倒、アンドリューのエスカレートする異常な練習が見られました。

これは正に、狂ってますよね。狂ってる人間にしか共感できない、もしくはフィクションなんでそもそも共感する事などできない作品なのかもしれません。

特にフレッチャーの言動は理解できない、むしろ嫌悪感を抱いたり、見てるだけで気持ち悪くなるくらいだと思うんです。

トラウマを思い出してしまう人もいるんじゃないでしょうか。

1人、フレッチャーの特訓に耐えかねて自殺した人がいましたよね。

その人はギリギリまで頑張ったのでしょうが、結局は内に潜んだ狂人、怪物がいなかったのだと思います

自分自身をふっ壊せなかったんでしょう。

ぶっ壊れたから自殺したんじゃないの?と思いますが、僕はそうじゃないと思いました。

だって、手の限界までドラム叩き続けたり、交通事故起こして血まみれになっても走ってコンサートに出ようとしたりする方がぶっ壊れてません?

最後まで、自分を守ろうと思った人が結局自殺という選択肢を選んじゃうんでしょう。

現実から逃げる手段は人それぞれですし、自己防衛の危機管理能力もそれぞれなので、なんともいえないですが自殺したあの教え子はきっと死ぬことが防衛だったんでしょうね。

この作品に共感できる部分は何一つありません。

自分の常識内で観るとつまらないです。

だってラストのシーン。アンドリューをハメるために、作品を発表する場で違う曲を演奏させるなんて、ある意味音楽を冒涜してるかのような行為じゃないですか。

楽器を投げつけることだってそう。そもそもジャズって自由な音楽みたいなイメージあるのにも関わらずフレッチャーの教えは相反してるようにも見える。

音楽は楽しくて自由っていう綺麗事が一切ないですよね。無いにしても程があるでしょってレベルです。

そういう事なんです、狂ってるって事は。ぶっ壊れてるんですよ。

常識とか良識とか皆無なんです。

そういう、物事に硬い人は、この映画を観ても絶対つまらないでしょうね。だってありえない事が起こっているだから。

自分の常識から外れた人の行動を見ると人はその人に対して嫌悪感を感じるものです。

よく説教するようなタイプの人とか、細かいことに文句言いたくなるような、ストレスを感じやすい人がそういう傾向にあると思います。

何度も言いますが、常識とか良識とか皆無です。

そんなイカれ狂った奴らのラストの「セッション」

ここまで狂える人間に、自分をぶっ壊す姿に僕は心を打たれてしまいました。

 

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