映画「キャプテン・フィリップス」感想あらすじ 二人のキャプテンの実話

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画像引用:ソニー・ピクチャーズ公式

ポール・グリーングラス監督、トム・ハンクス主演のアメリカ実録映画「キャプテン・フィリップス」

2009年に起きたマーク・アラバマ号乗っ取り事件で海賊に拉致されたリチャード・フィリップスを描く実録映画。

今回は前半にネタバレなしの見どころと、後半にネタバレありの感想、今作に登場する二人のキャプテンについて話していこうと思います。

まだ、今作を視聴していない方はネタバレに注意してください。

映画「キャプテン・フィリップス」のあらすじ

映画『キャプテン・フィリップス』予告編

2009年4月、ソマリア人漁師のアブディワリ・ムセたちは、彼らのボスから金を稼ぐよう強要され、ムセはノール・ナジェとワリド・エルミ、10代半ばのアダン・ビラルを連れて海賊行為を準備していた。リチャード・フィリップス船長が舵を取るコンテナ船「マースク・アラバマ」号はアデン湾からモンバサへ向かう途上のソマリア沖で訓練を開始する。武装集団のボートの接近を発見したフィリップス船長は海賊行為を警戒して警備対策を強化し、海賊の追跡を振り切る。翌日にムセたち4人のソマリア人海賊が再び現れ、フィリップスたちはホースで放水して追い払おうとするが、海賊は梯子を使って船に侵入してシージャックされてしまう。

Wikipedia

映画「キャプテン・フィリップス」の見どころ

映画「キャプテン・フィリップス」の見どころを紹介していきます。

今回話す見どころは作中に登場した「2人のキャプテン」についてと、実際に会ったシージャック事件についてです。

こちらではネタバレにならない程度で内容を話していきますので、まだ未視聴の人でも安心して読んでください。

2人のキャプテンについて

今作中には2人のキャプテンが存在します。

マースク・アラバマ号の船長「リチャード・フィリップス」と海賊グループのリーダー格である「アブディワリ・ムセ」です。

それぞれリーダーとして仲間を引っ張って行く姿の対比が今作の見どころになっています。

簡単に2人の特徴を紹介していきましょう。

まずは、フィリップス船長。

本作の主人公であるフィリップス。彼はマークス海運に努めている当時53歳のベテラン船長です。

出発前に船の点検や、海賊の襲撃にあった際のシュミレーションを欠かさず行う真面目で責任感が強い一面が見られます。

船が乗っ取られた際も冷静に対応し、仲間の安全を最優先に考えた行動を取れる勇敢な船長です。

もう1人の海賊グループのリーダーであるムセ。

もともと漁師をしていたが、外国船の乱獲によって漁ができなくなってしまい、村の一番偉いボスに海賊行為を強要される。

彼の海賊行為の目的はあくまでもビジネスであり、むやみに船長を傷つけるようなことはしないと交渉に同意する姿や、無線の通報や船の緊急事態の対応にも動じず度胸のある一面が見られる。

フィリップスの誘導にも動じず、的確な行動を見極める思考力も高い。

そんな2人が船内で交渉を行い、一か八かの駆け引きを行うシーンがハラハラして息をのむ瞬間がたくさんあります。

そして、展開が進むにつれて2人の対比が面白くなっていく作品として描かれています。

マースク・アラバマ号乗っ取り事件について

2009年4月8日にアメリカの貨物船「マークス・アマバラ号」がソマリア沖を運航中に接舷・制圧されました。

乗員たちの抵抗により、数時間後には奪回され、この際に乗員側は海賊1名を拘束しましたが、海賊側も乗員の身の安全と引き換えに投降した船長を拘束。お互い、人質を交換することで解決を図ろうとし、乗員たちは海賊を解放しましたが、船長は身代金目的の為か解放されず、交渉は失敗となりました。

同月の8日にアメリカは事件解決のため現場に海軍の駆逐艦「ベイブリッジ」を派遣。同月9日にはFBIの交渉専門家を派遣するなどの対応を行った。

最終的に同月の12日に事件は解決されました。

映画「キャプテン・フィリップス」感想ネタバレ

実録映画の中では上位3本の映画作品になるほど面白い、お気に入りの映画です。

実録映画は、実話の話を誇張させ過ぎないように派手さに欠けたり、ラストのインパクトが薄かったりするパターンが多い傾向にあります。

逆に、実話を元にしているのにも関わらず非現実的な演出をしてもリアリティに欠けてしまい、評価が大きく左右されます。

それだけ、実話映画とはバランスが難しい映画だと僕は思います。

そんな中でもこの映画はリアリティと物語の展開と映画の中にあるメッセージ性とバランスが良い映画でした。

特に良かったところは、見どこの内容でも触れていますが「2人のキャプテン」の対比です。

フィリップスとムセ。彼らはどちらもリーダーとしての素質が高い人格を持っていました。

互いに、命の危機が迫る状況でも冷静に頭を回転させ、目的を達成させようとしています。

また、責任感の強さや、仲間思いの点もこの2人は共通しているように見えました。

例として挙げますと、海賊側のメンバーの最年少アダンがガラスを踏んでしまい大怪我をしてしまった時のシーンです。

フィリップスは敵にも関わらず、治療をしようとしていました。もちろん、時間稼ぎと言う目的でもあるかと思いますが、怪我したのはまだ10代と見られる子どもです。おそらくですが、自分の子どもとそう歳は変わらないくらいではないでしょうか。

もし、海賊に対する思いやりのかけらもないのであれば、治療をせずそのまま見捨てる方が有利になるでしょう。

でも、フィリップスは治療をするようにムセにお願いしています。

警戒心の強いムセは、早くお金をもらい撤退して安全に治療させたいと考えているようで、その提案を断ります。

だが、フィリップスとの会話を続けるにつれて、ムセは自分達の行いの違和感に気づいていきます。

次に思い出してほしいシーンはフィリップスのセリフ「君たちはサンダルを履いているがこの子は裸足だ」と言ったところです。

貧しい村の育ちであるムセらは、子供が裸足であることなど気にもとめていないようでした。だが、フィリップスのこの発言により、ムセは唯一この違和感に気づいたのです。

また、自分が囚われている状況にも関わらず、アダムの足の治療のことをずっと考えている姿にムセとアダムはフィリップスに少しではありますが心を開いていきます。

このように彼らの根本は善良でできているのです。その中でもムセはリーダーに相応しい度胸と責任感と思いやりを持ち合わせているのです。

逆に2人のリーダーの違いとは何でしょう。

それは、2人の生まれ育った環境です。貧しい村の育ちと、アメリカでの育ち方のギャップがあまりにも大きいものでした。

そのシーンを現している2人の会話があります。

ムセがフィリップスに心を開き出し「俺はアメリカで車を買って暮らしたい」と言います。

フィリップスがそんなムセに対して「真面目に働けばお金は貯まる。今からでも遅くない」と心改めるように言いますが、その後のムセの「アメリカだったらな」というセリフに返す言葉を失います。

それだけ、先進国と発展途上国のギャップは激しいものである。

ムセ含め、彼ら海賊たちがもっと豊かな生まれだったらこんなことにならなかったのだろうか。

貧しいと言うだけで、人はここまでしないと生きていけないのか。

このシーンは本作の中でも一番訴えている場面でしょう。

これらのシーンや2人の対比を踏まえた上で、グッとくるセリフがラストにあります。

それはフィリップスの「俺の血じゃない」というセリフ。

海軍やFBIの交渉は失敗に陥り、最終的に海賊らを射殺することに。

それから、人質となったフィリップスは救出されました。

救護室に運ばれ、血まみれなフィリップスを見た医師は「これはあなたの血ですか?」と聞きます。

ですが、フィリップスについた血のほとんどは射殺された海賊たちの返り血。

フィリップスは泣きながら「俺の血じゃない」と言います。

彼らに一番寄り添った唯一の人物であるフィリップスが一番射殺という解決策に悲しんでいたでしょう。

生まれ育った環境が違うだけでこうも人生が変わってしまうのかと思うと、悲しいですね。

それに対して何もできない無力さを痛感させられます。

この映画はフィリップスとムセの対比による社会風刺とも言えるでしょう。

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